さみfulldays♪

星のカービィきまぐれ創作、他

きみがほんとうにほしいもの

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「はい。あなたがほんとうにほしいものは、これよね?」

 

無視される、裏切られる、傷つけられる。かなしくて つらい さびしい
そんな苦しい思いを叫べば、みっともない、見苦しいと嘲り、心が傷ついた人をハゲタカのようにつつきまわす。人間の本性はかく冷酷で無情なものです。
絵を描き始めてから私は常に無視され蔑まれ、ハイネスと同じような思いをして来ました。  

彼が復讐に走り「狂ったおどりをはじめた」のは、そのつらさ、悲しみを昇華し、心の整理をつけるすべを知らなかったからだと思います
そんな彼が本当に必要としたものは ある民族の滅亡ではなく、彼を満たす愛だったのだと思います
少なくともこれだけは言えます 愛は世界を救わないかも知れませんが、愛は傷ついた人の心を救います
わたしもカービィを通じて知り合ったたくさんの友達に たくさん救われました
これが私からの HAL研と熊崎D 、スターアライズへの返答です。

結局人の心を救い、心的外傷を乗り越える助けができるのは、自分自身しかいないのです。それを私に向けて客体化したものがこのまんまるフランちゃんであり、モモちゃんではないかと思います。
ただ、一人で強くなったり、優しくなれるほど人は強くないから、
もし傷ついて助けを必要としている人がいたら、ほんの一言優しい言葉をかけるだけでもいいのです。
少しでもいいから手を差し伸べて欲しいと 私は強く願います。

 

さようなら、「星のカービィ 」

【もう嫌です】

 

「スターアライズ」でツイッターファンユーザーの絵師作品が採用されたり、

https://twitter.com/kirby25thjp/status/969769344430297088?s=21

こちらのツイートのイラストで、ツイッターで発表されているファンアートでの二次創作設定を
カービィ25th公式アカウントが「採用」したことで、
HAL研は多数に支持される二次創作設定を「公式設定として取り込む姿勢」であることが明白になりました。
公式が二次創作に寄せてくる、というより
ツイッターカービィアカウントの中に普通に公式関係者も潜伏している以上、彼らがファンになった二次創作を私的に取り込んでいる側面もあるという方が正しいでしょう。
現行の星のカービィ シリーズは、
力の強い、訴求力のある、または多数派のための
ユーザー側の自由度のきかない、マイティなユーザーだけが喜ぶようなコンテンツであるということです。
わたしはこのゲームシリーズにはだいぶ冷めたこともあり、今後は新作だ!楽しみ!という姿勢からは一歩引こうと思います。

多数派のための、マイノリティや日陰者は置いてきぼりにされていく「星のカービィ 」、
これからも多数派の皆さんで民主主義的に大事に育てていってください。わたしはここでドロップアウトです。

メックアイの騎士①ロサとコバルト

深い緑を思わせる緑色の体躯に、これまた同じ緑色のマントを羽織った「騎士」、ベルデは一面ガラス張りの近代的なオフィスから見える闇に覆われようとしている夕闇に目をやり、ある「部下」のことを案じていた。
部下…と言っても当人は既に退官届を出し、ここには不在である。そしてベルデはそれを上奏していない。

「ポップスターの〝オリジン〝」と全くと言っていいほどシミラーな蒼の体躯に、深青色のマントからそのままコードネームを名付けられた、
「コバルト」という部下のことである。
元々は騎士階層ではないサイバー犯罪者で、非公式な司法取引の形で情報処理のエキスパートとして「騎士」に採用され、気弱で人を寄せつけない、だが対称的に豪胆な姉や仲間の背を追いながら少しづつ、逞ましく「騎士」としても成長していた青年、コバルト。

そして彼を時に叱咤し鼓舞し、献身的に支え続けた姉のルビィ。
ハルトマンワークスカンパニーとの戦いの中で、一瞬にして「唯一の」心の支えを失った彼の余波は、決して小さいものではなかった。
ルビィ、コバルト姉弟の所属していた、小部隊の隊長、ベルデはある時突然退官届を出し、そして彼の返事も聞かず突如姿を絡ませた、彼の行方を追っていた。
数ヶ月の追跡の末、彼は街中のスラム地区の一つ、グレープガーデン街の雑居アパートに身を潜めていることがわかった。
彼は、ルビィ以外である程度心を開いていたと思われる部下、ロサに彼の様子を見にいくように指示した。
しかし命令がなくても、ロケーションが判明次第彼女は彼の元に向かっていただろう。
時間とともに多少は落ち着いたものの、いつもルビィにくっついて、彼女がいないと不安定だったコバルト。
単身の彼がまともな生活をできているのか。彼女もベルデ同様それを案じていた。

騒がしく、昼間から如何わしい商売の店が飽き、ならず者や客引きが行き交う通りでは彼女のトレードマークである、派手なピンク色の装束も目立つことはない。
狭い表通りを少し入り、やや騒音が遠ざかったところにある打ち捨てられたような前時代そのものの6階建てのアパートメント、ここだ。
端末に登録された位置情報を参照し、ロサは一階の駐車場へと入っていった。
車はビルに似つかわしく古ぼけた一台しかなく、管理人から合鍵を借りると、
ロサは彼の住むという部屋へと階段を登った。
ハルバード王国内ではどんな古いアパートにもついている、エレベーターも付いていない。ありえない。コバルトはこんな所で生活しているの?

異質な空間を見回しながら階段を登り、
錆びつき、禿げた塗装の扉を開いた瞬間、ロサは思わずマントでうっ、と鼻を抑えた。
異臭がする。人一人がやっと通れそうな玄関にはゴミが積み上がり、左脇にあるミニキッチンにはカップ麺の食べかけをはじめとした、食べさしの弁当や中食の食品の捨て柄がどっさりと積もっていた。

奥に目を凝らす。暗闇の中、ぼうっと青い光が浮かび上がる。
「コバルト?いるの?」
ロサは奥に向かっておそるおそる呼びかけた。応答はない。
「おじゃまします…」
ロサは辛うじて見えるフローリングの床を飛び越えるように渡り、光の見える奥へと向かった。
「!!」
ロサは、また戦慄した。
毛布を被り、頭上の仮想モニターに走る何十行もの複雑な電子言語に目を凝らしながら光るコンソールを叩いているのはやはり、彼女の知るコバルトだった。
しかし、黄色の目には光が全くなく、その頬は削がれたようにこけ堕ちている。
そして、彼の手元の灰皿にある「チョコレート」とその包み紙。典型的な薬物中毒の症状だった。
ベルデが恐れていた通り…彼は破綻した生活の中にいた。
ロサは思わず手を出し、コバルトの手を遮った。
「だめよ!」
すると、青白く光る仮想モニターにエラーコードを何十行にもわたって吐き出した。滝のように画面が出て流れていく。
「なにするんだ!」
コバルトは、先程の死人めいた様相からは想像もできない凄まじい怒鳴り声と力で、ロサを突き飛ばした。
「あなたそれ、チョコレートじゃない!」
安価な合成カカオの実からできており、甘く甘美な味がするが、球体形のハルバード市民にとっては依存性が強く、段階的に中枢神経を崩壊させてしまう薬物。
「お前は誰だ!」
「覚えてないの?私は、ロサ。貴方の友達よ」
「僕に構うな!」
怒鳴るコバルトにロサははっきりと答えた。
「そうはいかないわ」
「誰が頼んだ!」
「ベルデよ。貴方のこと、とても心配してる。わたしも」
「僕は頼んでいない!!」
「頼まれなくたって来るわ。友達がこんなふうになってるの、見てられない!」
「帰ってくれ」
コバルトはチョコの包み紙を吐き捨てると、コンソールの方に向かい直った。
「帰らないわ」
「出て行かないなら、保安部隊を呼ぶぞ」
「こっちにとっては、願ったり叶ったりよ。軍もあなたの行方がわかるのだから」ロサは両手を肩に上げ、首を竦めた。
「僕はもう軍の人間じゃない」
「ベルデは退官届を受理してないわ」
もういい、とばかりにロサを睨んでいたコバルトはコンソールに向き直った。
もういいわ。好きにすればいい。
だが彼女は帰る気はなかった。このこの世の終わりとでも思われる空間を、どうにかしなければ。
コバルトが何をしていようと彼女には関係なかった。彼女はまず、うずもれたゴミを分別し、部屋の外へ出す作業に取り掛かった。

目が覚めたとき、そこには誰もいなかった。コンソールの他は暗闇だけだった。周囲を見渡し、目を凝らすと、どこか目の前がスッキリした感じがする。彼が何週間ぶりくらいに電気をつけると、ゴミが全て無くなっており、フローリングは全て見えてピカピカに輝いており
、キッチンも、そして自分のいた部屋すらも自分の触るコンソール周囲を除いて綺麗に片付いていた。
ロサがやったのか?
コバルトが辺りを見渡すと、前の住人が置きざらしにしてあったダイニングテーブルに、見知らぬ黄色い鍋とラップのかかった白い皿によそわれたライス、それにパプリカとレタスときゅうりが入った色取りどりのサラダが入った器があった。
皿の下には、黄色いチェックのランチョンマットが敷かれ、スプーンとフォークも綺麗に並べてある。
鍋のすぐ脇に手紙が置いてある。
「コバルトへ
チョコレートもいいけれど、ご飯も少しは食べてね。
カレーライスを作りました。口に合うといいのだけれど。 ロサ」
ロサは掃除をした後、買い物に行き、薬物性のない合法的な菓子のチョコレートを隠し味にいれた。こうすると、カレーのコクと香りが増すのだ。

食欲が湧いたわけではなかったが、
ロサの手書き文字に郷愁を覚えたのか、彼は鍋を開け、カレーをライスの上によそうとそれに手をつけた。
味がわからない。何口食べても少し口が痺れる感覚がするだけで、彼には無味のごわごわしたペーストを口に押し込んでいるのと何も変わらなかった。
半分ほど食べ、彼はスプーンを置き、そのまま居室のコンソールの椅子へと戻った。
ロサは、翌日も来た。一日を置き、その次の日も。それから二日か三日ごと、必ず彼女はコバルトの自宅を訪れた。
大抵は部屋の掃除をし、洗濯物を畳み、コバルトも彼女に構うことはなかったが、いつしか食事と呼ばれた時だけは彼女に反応するようになった。

ロサが彼の嗜好するチョコレートを徐々に依存性のないものにすり変え、彼は徐々に薬物的な精神依存を脱していった。

 

ある時、ロサが帰ろうとすると、コバルトが不安そうな表情をしている。

「どうしたの?」
ロサは彼の丸い体躯を抱え込むように、両の手を添えた。少しの沈黙ののち、彼は言った。
「行かないでくれ、ロサ」

「寂しいんだ」
そう口に出した時、彼は、ようやく自分の中にある、そのままの感情に気がついた。
ロサは微笑んだ。
「一緒にいるわ」
そして、仮面をつけたままコバルトに身を寄せ、彼を抱きしめた。

その晩、彼女は彼を暖めた。
そしてそれからは度々、というより彼女が来る時は常に、彼女の腕の中で、コバルトは眠った。

ロサが隣でふと目を冷ますと、いつもコバルトの顔を見た。いつしかぷくりと、頬が丸みを取り戻した彼の寝顔は常に、安らかだった。

モモクス?


デデデグランプリ、ゴールドリーグ決勝戦の試合が終了した。
デデデコロシアムの観客席にいた、赤い肩当にピンク色の靴を履いた「ピンク色のメタナイト」が、帰りゆく観客の合間を縫って、観戦席の一番前へと人をかき分けて降りてゆく。
カービィワドルディメタナイト、アックスナイトでのチーム戦は、カービィ側に軍配があがった。複数競技でのラスト、バトルロイヤルで決着が付いたあと、地面に頭から埋まぬった二人を助け起こすべく、彼女はコロシアム最前列のフェンスを乗り越え、桃色の羽を広げるとふわりと闘技場の中へと降り立った。そして先に、アックスナイトのばたばた動く赤い足を持ち上げ、後ろから勢いよく引きぬいた。
ぷはあっ、と息をさせ、引っこ抜かれると同時にアックスナイトが後方にころがる。翼で後に回ったメタリアが彼を支えた。
やはり激戦の後、ひどい傷だ。ランスや爆撃にやられて甲も体もボロボロになつている。全身に擦傷や大きな切り傷が数え切れないくらいにつき、血があちこちに滲んでいた。
「アックス、大丈夫?」
メタリアが心配そうに問いかけると、アックスナイトは顔を伏せた。
「申し訳ありません。メタナイト様の足を、引っ張ってしまいました…」
メタリアは首を振った。
「いいえ、君は立派に兄上の伴侶を務めましたよ」
「しかし、カービィに負けてしまっては何も意味がありません」
「確かに勝つのもいいことです。だけど、それ以上に二人とも、ずっと堂々としていて、かっこよかったのです!執拗にカービィたちを追い詰めて、最後までどっちが勝つかみんなわからなかったのですよ!さっき、わどわどちゃんが上げた脚のそばをギュンっ!て手斧が掠めた時とか、僕までヒヤッとしちゃいました。兄上も君も、すごくステキだったのです!」
「恐れいります…」
背を崩したまま、アックスナイトは照れくさそうに頭をかいた。
「じゃ、手当をしましょう。すこし、目を閉じていてくださいね」
言われるまま、目を閉じるアックスナイトであったが、ふと気配を感じると、目を開けた。そして思わずのけぞった。
そこには、上気した頬。艶やかで血色の良い桜色の肌に、伏せられた長い睫毛。そして小さな唇を愛らしく尖らせたメタリアの顔が眼前にあったからだ。
「メッ、メタリア様!!何を!!!!!」
「なにって?『くちうつし』ですよ?」
「いっ、いけません!!」
アックスナイトは両手でメタリアを押しのけた。
「なぜです?怪我の手当をしなければ。」
「なりません…私が、メタリア様に、『癒される』など!!」
アックスナイトの顔は、マスクの上からでも露骨にわかるほど真っ赤になっていた。
「でも、ひどい怪我です、痛いでしょう?さあ。」
「とにかく、なりません!絶対になりませんぞおぉぉぉぉ~!!!!」
アックスナイトはそう叫ぶと立ち上がり、脱兎のごとく闘技場の入口へと走り出して行った。
「アックス!逃げなくてもいいではありませんかー!!」

「…そうなのです」
そしてもう1人、埋まっていたメタナイトを助け出すと、先程の出来事を話し始めた。
メタリアは露骨に沈んでいた。
「アックス、ぼくにくちうつしされるのが嫌だったのですね。悪いことをしてしまいました」
メタリアはあくまで友人達同士でもよくやる「手当」をしようとしたのだが、それを自分にされるのが嫌な人もいるのだと。それに全く気がついていなかったことが申し訳なく思えた。
もしかしたら、友達の中にもぼくと「くちうつし」するのがいやな子もいたのかも、と取り返しのつかないような思いがよぎった。

「…いや」
メタナイトは首を振った。
「アックスナイトはお前が嫌だったのではないだろう」
メタリアはわからない、という表情をした。
「じゃあ、どうしてぼくから全速力で逃げたりしたのですか?」
「ふん…」
メタナイトは少し首を捻り、メタリアの方を見て、言った。

「彼は、『紳士』だからな」
「????????」
ますますわからない、という顔で小首を傾げたメタリアに、
メタナイトはフッと笑った。
「彼は女性に奥手なんだ。少々、加減してやってくれ。」
「ぼく、女の子なんでしょうか?」
「大抵はそう思うだろう」

本人に自覚はないようだが、最近の彼女には、少女からすこし背伸びをした色香が出ているように思う。

アックスが「女性」と認識してしまうのも無理はないな…と少し、彼の反応が腑に落ちた。
「わかりました。くちうつしでなければいいのですね。ありがとう兄上!」
そういうと手を振り、メタリアも闘技場への入り口へと駆け出していった。
「私はギャラクシアがあるから…か?」
確かに自分で自分を癒せるメタナイトにはそうなのだが、自分はアックスに押されその場に完全放置されたことをメタナイトは少し複雑に、寂しく思うのだった。
なお、メタリアがアックスナイトに栄養ドリンクを渡した後に、兄の事を思い出すのは大分後のことであった。

someday

一度めは、傷心旅行。

二度目は、ふたりの時間。

 

兄と妹から、次第に互いに不可欠なパートナーへと移り変わり、大分時が経った。 兄が突然、一人になりたいと言い出した。 剣技を磨くひとり旅なら、彼は側近にしばらく留守にするとでも告げとっくに屋敷を出ているだろう。しかしそうではなく、自分にわざわざ告げた。 メタリアは当初深刻な事なのかと考えた。

どうやら単に、息を抜きたいということらしい。多くの土地や人員を領有し、外部の環境や内部の事情など、常に多くのプレッシャーを抱える中、たまには荷を降ろしたい時もあるだろう。人はそれを休暇という。悪いことではない。「修行の旅」も当の本人以外には、それと同じようなものだが… それならば、どのみち彼の身の回りのことをする者は必要だろう、自分で事足りる。

前は水兵のワドルディも連れて行った、だが今回はいない。彼がメタリアの身の回りを整えるのは今も同じだが、メタリアも既に遊び相手が必要な子供からは脱している。そして彼は父になっていた。そして前と同じ、オレンジオーシャンの郊外にある別邸に二人はいた。 その中では、深い森がすべてから覆い隠すように屋敷を包んでいる。森の中では、兄が変わらず剣を振るっている。あまり気分は休まってはいない様だ。

無理もない、残してきた者たちや現実に横たわる課題の事をつい考えてしまう、それが兄なのだ。

困難に逢っても決して逃げず、どのような事にも実直に向かい合うのが、兄の人柄で、最も大きい美点でもあると、メタリアは捉えていた。 ここに来てからも、来る数日から前と同じ様に趣味の読書も、機械いじりもしていない。メタリアは彼の気の済むまで剣を振らせておくことにし、自身は掃除や屋敷にある庭の手入れ、手芸をして過ごした。

日も落ち、胚芽の入ったパンにサラダ、そして近くの清流で取れた魚のシチューと、暖かみのある幾分質素な食事を摂ると、食器を片付けながら、メタリアは兄に話しかけた。「兄上。皆は大丈夫ですよ」 「何のことだ?」彼は訝しんだ。 「お休みをもらっているのですから、息を抜いて過ごしたら良いのです。アックスも兄上や私がいないのを加味して勤務を組んでいるはずですから」

「お前は私が考えていることまで想像していたのか。大した推察ぶりだな」

メタリアは微笑んだ。 「分かりますよ。私でなくてもそのくらいは。兄上の癖は、身に出やすいんです」 琥珀色の紅茶と、チョコレートケーキが出て来た。粉砂糖がかけられ、兄の好みに合わせてある。ケーキには紅色の果実が混ぜ込んである。

「これ、ここの近くの森で取れたラズベリーを使ったんですよ。ジャムにすると、すごく美味しくて」

「あの時と同じだな」 兄が言った。

「何がです?」

「あの時に出てきた、ケーキだ」

「あの時とは?」 「私がスザンナと共にいた時に出た、あのケーキだ」 「ああ…」妹は苦笑した。

この手のケーキは何度も出しているのだが、兄は記憶に残っているらしい。やはり、今も未練があるのか。

「お前が始めて私に出した菓子だったな」 「えっ?」紅茶を飲んでいたメタリアはきょとんとした。 「今となってはの話だが、なぜ代わりを立ててまで、内密にする必要があった?」

 

メタリアは言われて少女の頃を思い出した。その時は「絶対に内緒にして!」と念を押してまで料理人の一人がつくったことにしたのだ。 何故か。願掛けのようなものだった。兄に美しい花嫁が添い遂げる、そう考えただけで自分の心は踊ったのだ。

そして二人がうまくいくように幾度も気を回したりした。しかしそれが尽く裏目に回り、落ち込んでいたときに、料理人の長のコックカワサキから一つの「できること」として二人のために菓子を作るよう勧められたのだ。今度こそうまくいかせたい…そう考えて、幾日も幾度も、失敗を繰り返しながらも、仕事の合間を縫ったコックカワサキや専属パティシェに習いながら二人に出すための菓子を作り続けた。

ラズベリーは恋の果実という。だから、美味しいものを二人で食べて、もっと距離が近くなるようにと、ケーキに果実を通じて願いを込めたのだ。だが。 「う〜ん…」メタリアはどう返すか決まらず考え込んだ。 まず、言うまでもないことなので隠したかった。それに、親族とはいえメタナイトに近しい女の事を匂わせれば、スージーが気にするだろう。

「きっと、照れくさかったんでしょうね」

メタリアはそう言って笑った。(続くかもしれない)

 

 

 

 

 

うちの子(ももメタ&アリアちゃんs)を描いてもらいました!

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tangankirbyさんに描いていただきました!アリアちゃんsとモモメタちゃん!
パッチリとしたお目目が生き生きしてて、すごくかわいいです!😍💕
tangankirbyさんのタンブラーはこちら↓
https://tangankirby.tumblr.com/
一番好きというホラータランプやワドルドゥたちが賑やかで楽しくて可愛らしいイラストがいっぱいです!
是非に見てくださいね!

スージーとプププ王国のice lolly(カービィハンターズZ)

 (読む前に、カービィハンターズZ公式ホームページをhttps://www.nintendo.co.jp/3ds/jlkj/special/index.htmlご覧ください。)

今日も暑い。
青い快晴に、眩しい日が差す街の広場は絶好の商売日和だ。
あちこちを転々とする、街唯一のアイス屋が引く小さな屋台の中にはチリーがおり、売り物のアイスを懸命に冷やしている。今日はここで商売をするつもりだ。

カラン、カラーン。
手にした鈴を持ち、ゆっくりと大きく降る。それと同じくらい響く、可愛らしい声が広場を通る。
「アイスはいかが?プププ王国の、おいしいリンゴシャーベットはいかが?」
「くださいな」
表れたのは見慣れない女性。
白い兜にピンク色の滑らかな長い髪。見たこともないような細身で、美しい女性だ。
(うわあ、なんてキレイなひとなんだろう)
「あの、リンゴ・シャーベットを一つ…」
ふと、見とれてしまったアイス売りは我に帰り、元気よく答えた。
「はぁい!」
そしてアイスをヘラですくいカップに入れると、飴のようにとろけそうな笑顔でスージーに渡した。

アイスを売る女性を見て、スージーは訝しんだ。
アイス売りは誰が見ても、可憐な容貌をしていた。レースのついた黒いずきんに、同じような黒ずくめのドレス、そしてルビーのような輝く大きな瞳に赤い髪。
大変可愛らしく、余程へまをしなければ商売に困ることはないだろう。しかしその服の取り合わせはどう考えても珍妙だ。
アイスを売り、この暑い天候なのに。
「丸いゲンジュウミン」に近い体型だし、暑苦しいこと極まりない。
もっとも、そう思わせることで、アイスの売上を上げているのかもしれないが。
ふと見ると、アイス売りはいつも広場にある屋台がガラリと変わっていることに気がついた。
屋台は白く磨きあげられたようにピカピカ。店そのものの意向も変わったらしく、ピンク色のリボンやキャンディの意匠で可愛らしくデコレーションされている。
ヘラでシャーベットを救い取りながら、アイス売りはスージーに聞いた。
「屋台のお店、変わったのですか?」
「ええ」スージーは頷いた。
「ここ、マホロアさんのお店があったと思うんだけど、マホロアさんはどうしたのです?」
「前の店主が急に店じまいをして、ワタクシがお店を継ぐことになりましたの。
わたくしは新店主のスージーですわ。いご、おみしりおきを」
「そうですか。わたしはメアーナ。よろしくなのです!」
互いに笑顔を交わすと、スージーは言った。
「よければ、あとでワタクシのお店にも立ち寄ってくださいましね?」
アイス売りの少女は顔を輝かせて答えた。「もちろん!商売がおわったら、行きますね」

商売がひと段落付き、少女はスージーの屋台を訪れた。
「うわあ」
少女は顔を輝かせた。
武具や消耗品が狭そうに並ぶ他、陳列棚の半分以上を使い、年頃の娘が喜びそうな、色とりどりな多数のアクセサリーが堂々と並んでいる。
「ごゆっくり、みていってくださいね」
スージーは営業用の、洗練された美しい笑顔を見せた。
「あっ」
少女の目に止まるものがあった。ハート型に、星や月、鳥の細かい意匠が施された金の髪飾り。
値札を見ると、ジェムリンゴ50個と書いてある。少女は困惑した顔をした。
「前の店主さんのときよりかなり、お高いですね」
「今ならオープニングサービスで、1割引いたしますわよ?」
それでも大分高い。しかし彼女は頷いた。
「いいや、気に入っちゃった。これ、いただくのです!」
「ありがとう」
代金を受け取り、スージーは微笑んだ。
「だいじにして、くださいましね」
「もちろん!」
ピンクと紫の包装紙と白いリボンで可愛らしくラッピングされた包みを受け取り、少女は笑顔でその場を駆け去っていった。

「兄上」
夜。
王国の城のある一室に、男女がいた。
明かりは灯っておらず、眩しい月明かりのみが部屋の中を照らしている。
女は白いヘルメットに、ピンク色の髪。
男は鉄の仮面に、暗青色のマント。
スージーのそれとそっくりな容貌の彼女が被るのは、異世界の物質でできているという兜、
「ハルトニウムヘルム」だった。
手に載せた、ハート型の、金色のアクセサリーを見ながら、彼女は呟いた。
「やはりあの女…」
「調べてみたが、お前の兜についている、「髪飾り」と同じ材質のようだ。おそらく、「アレ」の亜種だろうな」
国の防衛を司る男は昨今の怪事件の頻発に、頭を痛めていた。目に見えて容貌がやつれている。
「最近は、次元の裂け目が頻発し、そこから別次元の魔物まで飛び出してくるようになった。住人の急激な凶暴化とも、何かしら絡みはありそうだ」
「厄介ですが、かかった火の粉は振り払うしかないようですね」
女は溜息をついた。
「では、討伐対象に?」
「ああ。厄介なことになる前に、先手を打った方がいい。「アレ」と同じ程度の能力だとすれば、並のハンターではまず太刀打ちできないし、カービィ達は出払っているからな」
「ただし、殺してはいけない。次元の整合性がさらに損なわれる可能性がある。
次元の裂け目に、送り返すんだ」
「…都合いいのです」
「頼むぞ、メアーナ」
彼女の方を向いた男に、女は手袋に仕込んだ義手の親指と人差し指で丸を作って答えた。
メタナイト様。毎度ありっ♪」
「次の裂け目の予測地点は、広場の外れにあるここだが、毎回のパターンから言えば、裂け目を発生させられる時間は予測時間からせいぜい三分だ。それまでに方をつけてくれ」
ということは、スージーを広場付近に誘導しなければならない上、倒すのは遅すぎても、早すぎてもいけないのだ。
「時間制限つきですか。では、追加報酬も請求しますね」
「構わんさ。お前は仕事はきっちりこなす女だからな」

「こんばんは」
「ん…なんですの?ムニャ」
夜が更け、宿ですっかり眠り込んでいたスージーは、窓辺で自分を見下ろす存在に気がついた。
彼女はその存在を見て、即座に目が冴えた。
影が、青白い月の中にいる。
耳長の白い甲を身につける丸い体に、長い髪。背には巨大な蝙蝠の翼が生え、言いようのない不気味さを思い起こさせる。その影は怪しくも丸い。
「あなたが、ミス・スージー。探したわ」
冷静で低い、女性の声。
「…ワタクシのことを、ご存知ですの?」
「貴方はとても強いと聞きました。私と、お手合わせ願えませんか?」
スージーは夜中に突然叩き起された不機嫌さを露わにした。
「こんな夜中にやってきて、不躾ですこと。非礼な者の頼みを聞く謂れはありませんわ」
「ごめんなさい。ですが夜中に起こしたのは貴方のためなのです。貴方の首には既に賞金がかかっています。直に、多くのハンターが貴方を討伐にくるでしょう。そうなる前に、ここを立ち去った方が身のためなのです」
「何をいうかと思えば…フッ」
スージーは鼻で笑った。
「あなたはどうやらワタクシの邪魔をするつもりのようですわね。良いでしょう、あなたを最初にくじょしてさしあげますわ!」

鋭い殺意。すくさま後ろ向きで窓から飛び降りると、直後に窓に巨大なドリルが突っ込んでいった。ドリルは建物を貫通し、宿の建物の2階が無残に砕け散る。

メアーナは広場に音もなく降り立ち、スージーの載るリレインバーを睨みつけた。

「わが「キカイ化プロジェクト」のジャマ者は、排除いたします…お覚悟を」
「おねえさん、遊んでくれるの?うれしいな!」
さっきとはうって変わり、無邪気な声で悦びを露わにする。目が金色に爛々と輝き、彼女の本質的な、戦闘狂の気質を露わにする。
彼女は右手に持つ、異世界の素材で出来た特殊な剣のスイッチを入れた。またたく間に電撃がさやの先に走る。
「ライトニングスージー」と名付けられた、これまた「前店主」マホロアが謎のルートを介して売っていた剣だ。

「ほほーい!!」
彼女は勇んで、地を蹴ると羽を縮め、ミサイルのように突撃する。
羽のある戦士の間ではドリルラッシュと呼ばれる技だ。
しかしリレインバーはジャンプでそれをあっさりとかわす。
「おっと」
不発に終わったメアーナはずざりと着地し、背後から次々と迫るドライバー状のミサイルを回避する。避けるのは容易だったが今度はリレインバーの腕を振り回したスージーが迫る。
それ自体もメアーナの人並外れたスピードには通用しないが、誤算があった。
リレインバーの周囲から衝撃波も発生していたのだ。足を取られ、メアーナは吹き飛ばされる。
「いててー…」
頭を抑え、ぴょんと起き上がると今度はその場で振り回されるリレインバーの腕をしゃがんで交わした。
「じゃあ、これでいいや!」追うリレインバーをかわして走りながらメアーナは武器のモードをスイッチで切り替えた。
「びーむ!!」
ダッシュし、前回転しながらライトニングスージーをリレインバーに向かってかざす。
ぶおーん、と音がなり、直線状の太いレーザーがリレインバーを炙る。
「ぐっ」
衝撃にスージーが息をつまらせ、多少焦げたスーツを手で払った。
「あの子、隠しモードまでライトニングスージーを使いこなしている…やるわね」
その後、メアーナは果敢に攻撃を繰り返すが、金属の硬いボディには効いているかどうかすらも定かではない。
激しい攻撃を交わしながら反撃を繰り返すが、しかし少しづつ受けるダメージも効いてゆき、メアーナの息も上がってゆく。
「うー、ちょっときついかも…」
そう思った時、都合よく空から真っ白いショートケーキが落ちてきた。
メアーナはそれを器用にキャッチし、ぱくりと食べた。またたく間に疲労と、体の傷と痛みが消えてゆく。
彼女の顔に笑顔が戻った。
「ぐるぐるー!」
踏み潰さんと迫るリレインバーをスライディングで交わし、背後から回転斬りをお見舞する。そしてめった切り。
「キャッ!」
激しい攻撃でダメージを蓄積し、リレインバーがバランスを崩す。
「ねえねえおねえさーん。フルーツ牛乳のんでるぅー?」
おちょくられ、スージーは青い瞳を光らせる。
「もう、容赦はしませんわ…」
リレインバー後部のハッチが開き、逆三角形のミサイルが無数に飛び出し、降り注ぐ。
メアーナはそれをステップで前進しながら交わすが、その先に罠があった。
「散りなさいっ!!」
ミサイルで動きを制限される中、リレインバーが斜め上から足先のドリルで彼女を貫かんと迫る。
メアーナはぎりぎりまで引き付け、既のところでそれを横にかわした。
ドリーミサイルが次々と着弾し、一瞬煙幕で視界が塞がれる。スージーも例外ではなかった。しかし彼女の身につけるバイザーはそれを無効化する上、熱源で敵を察知可能だ。
しかし、既にスージーの視界は、緑の熱源反応で視界が塞がれていた。メアーナがコクピット席の縁に、飛び乗っていたのだ。
そして。
「はあああああっ!!」
コクピットのコンソールに、ライトニングスージーを、突き立てた。
「ハルトニウム素材同士を並べ、電撃を加えると、周囲のものを吸い込むような反響を起こす」
兄のアドバイス通りだった。
突き立てたライトニングスージーを捨て、メアーナはリレインバーから離れた場所に飛び降りた。
スージーが当惑する中、コクピットへの一撃で、致命的なダメージを受けたリレインバーは、爆発を起こし、四散した。
「キャアアアアア!」
吹き飛ばされたスージーが地面に滑落する。
離れたメアーナは無言で彼女を見ていた。その理由はすぐに訪れる。
メアーナが起こした、ハルトニウム同士の反響で次元の裂け目が生じた。
「えっ…」
不自然に体が浮遊する感覚に、スージーは混乱した。
「何?何が起こっているの?ねえ?」
そして。
「いやあああああっ!!」
スージーは背後の次元の裂け目へとすいこまれていった。
次元の裂け目が閉じた後、メアーナは体からホコリを落とし、笑顔で言った。
「ちょっと残念だなあ。でも楽しかった!」

スージーに監禁されていたマホロアも戻り、多少損害はあったものの今日も街の広場には付近の住人や、防具をそろえたカービィたちがアイスを買いに来る。
ヘラでカップにアイスを救い取りながら
彼女はとびきりの笑顔を見せる。
昼はチリーの力で冷やしたアイスを売り、夜は魔物や不届き者の討伐を行う…
それが彼女の仕事だ。【了】

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