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星のカービィ邪道創作(ももメタ専

断片/機械仕掛けの騎士②

数日後。

量産型メタナイトボーグの一つ、M71105は主人のベアトリスに呼ばれていた。

ハルトマンワークスカンパニーの中枢。かつて、既に滅びたゲインズ・インカム・ハルトマンが鎮座していた場所だ。

雰囲気からするに、重要な話らしい。M71105が社長室に入ると、ベアトリスは微笑んで、彼を出迎えた。

「待っていたわ、M71105」

M71105は彼女の前で跪くと、無言で恭しく、騎士の一礼をした。

「今日は貴方に、見せたいものがあるの」

ベアトリスが上を向き、右手を天井に掲げると、何物かが天井から降りてきた。

カプセルのようだ。「ヒト」が1人入るくらいの。

案の定、カプセルの中には楕円形のそれを意図するような台座があり、その中にはクッションが嵌めこまれている。

その上で縮こまって寝息を立てる「それ」を見て、M71105は絶句した。

「これは・・・」

ピンクの体。「カービィ」のような丸い形の生命体。

驚くべきことに、今はメモリーの中にしかない、「スザンナ・ファミリア・ハルトマン」が身につけていたような白い外装を身にまとっている。

しかし、それはカービィではなかった。

メタナイトの実の妹であり、宝剣ギャラクシアの命を魂に宿す美しい娘…メタリアだったのである。

「そう、生まれ変わった「彼女」よ。これからは、このカンパニーのために一生を費やすの」

ベアトリスがぱちん、と指を鳴らすとぱちり、と淡い緑色の瞳が開いた。

カプセルが自動的に開き、彼女がぴょこんととびだした。そして二人の目の前に立つと、小鳥のような歌声で歌い出した。

おお いだいな ハルトマン

おお いだいな ハルトマン

ぎんがに なだたる 王者よ

特別歌い方が優れているわけでもないが、ころころと愛らしい歌声で歌う、耳の生えた小動物を思わせる可憐さに、M71105が目を吸い寄せられていると、

ベアトリスは横から彼をそっと覗き込んだ。

スザンナのそれと全く形状が同じ黒いヘルメットから、さらりと、緑色の美しい髪が揺れる。

「気に入ってくれたようね。このプロダクトは成功よ。これは我が社の兵士に士気を与えるための製品・・・M-4114、「アリア」よ。」

「暫定的なパートナーとして、貴方にこのアリアを与えます。連れてお征きなさい」

「ありがとうございます、ミストレス」

M71105は心よりの感謝を、彼女に捧げた。

何故、という疑問は口にしない。

何故、この娘を自分に与えるのか。

この娘はどんな場面で、自分に必要になるのか。

疑問を持つ必要もない。

この御方は絶対的な存在。

自分は、この御方のためだけに、存在しているのだから。